2015年5月16日土曜日

世界のドローンビジネスの調査 その4 アメリカの巨人 アマゾンのアマゾン・プライム・エア

前回はカナダのドローンの法を紹介しました。
今回は世界で一番有名なドローンの実用ビジネス実験、アマゾンのアマゾン・プライム・エアについて調査したいと思います。

アマゾン・プライム・エア

アマゾン・プライム・エアは無人航空機を使って、アマゾンの出荷する商品を消費者へ直接届けてくれるというものです。
つまり、空の宅配サービスです。アマゾンのこのシステム構築が上手くいけば、ピザの宅配サービス等、様々な宅配サービスでドローンが商用利用されることになるでしょう。

動画 :アマゾン・プライム・エア

上記の動画を見ていただけばわかると思いますが、数年前はSFのワンシーンだったことを現実にしようとしているのです。
とはいえ、現実には技術的、法律的、倫理的にも問題が山積みです。

FAA(米国航空局)の規定

2014年6月にFAA(米国航空局)が規定したドローン(無人航空機)の法律は、商業配達を禁止するものでした。この結果、ドローンによる無人配達を行うというアマゾンの計画は一時的に夢物語となってしまいました。アマゾンは規定があまりにも厳しすぎるとFAA(米国航空局)に文句を言いました。

そして、2015年3月。FAA(米国航空局)はAmazonに「実験的耐空証明書」を発行し、同社が「Amazon Prime Air」配送ドローンの研究開発や操縦訓練を実施することを認めました。
しかし、アマゾンはこの判断に対しても、あまりにも結論を出すのが遅すぎる。意味が無い。と非難しました。
ビジネスはスピードが命なので、アマゾンが怒るのは当然です。CEOジェフ・ベゾスの怒りの顔が浮かぶようです。

*ジェフ・ベゾスの性格を知りたいひとは以下の本がオススメです。

アメリカからカナダへ

FAA(米国航空局)の動きにしびれをきらしたアマゾンは、カナダで実証実験を開始しました。今はカナダ政府の全面援助を受けなら、ブリティッシュ・コロンビア州で複数のプロジェクトを進めているそうです。

カナダには多くの専門家が集まっていて、アマゾン・プライム・エアに向けて様々な角度からテストを行っているようです。

宅配サービス以外の目的

では、なぜアマゾンはここまでドローンを利用した宅配に力を入れるのでしょうか。 それは、宅配サービスの実現だけが目的でないからだと思います。一般の人が想像するアマゾンという会社は、ネット通販の会社だと考えているでしょうが、それは違います。

アマゾンはインターネットの世界では、AWSと呼ばれるクラウドっサービスも提供しており、技術力をもつインフラの会社でもあるのです。しかも、その技術力とインフラは安価かつ強力で、クラウドインフラのほぼデファクトです。

そうです。アマゾンはAWSの成功で理解しているのです。自分たちのドローン宅配サービスが成功すれば、AWSのように市場を独占できることを。それに加え、利用者にも多大なメリットが生まれます。さらには、ドローンの進化も加速し、ドローンの市場も大きくなります。だから、偏狭的までにドローンの開発に力を注いでいるのです。

日本でのアマゾン・プライム・エアの適用を考える

これはなかなか厳しいと思います。しかし、日本はいつも黒船によってしぶしぶ市場を開放してきました。
欧米でドローン宅配サービスが広まれば、日本でも自然に受け入れられていき、当然楽天などのECサービスを提供する会社も無人航空機サービスに参入してくるでしょう。そうなれば、空の法の整備は急速に進んでいくはずです。

アマゾン・プライム・エアの成功の可否が、空のビジネスの今後を占うのは間違いありません。
ですが、アマゾン・プライム・エアの話はひとまずここまでにしましょう。

次は空以外でのドローンのイノベーションの可能性を見てみたいと思います。

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