2014年4月30日水曜日

LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲 感想

素晴らしい本でした。女性だけでなく、男性にも読んでほしいです。特に部下がいる管理職のかたには絶対に読んでほしいと思います。

残念なことに男性は女性の立場で労働環境を考えることはできません。なぜなら男性は女性特有の悩み(社会的地位や妊娠等の体の違い)を本当の意味で知ることが出来ないからです。たとえあなたがどんなに女性のことを考えているジェントルマンでもです。そのことを知ることができるだけでも読む価値がある本です。

冒頭から強烈なメッセージで始まります。
「はっきり言おう。世界を動かしているのは男である。」
世界でもトップクラスのキャリアを積んできたシェリルが言うと重いです。

彼女は言います。
「女性の環境を変えるには、もっと多くの女性が地位ある立場につくこと。そして、発言すること。これしかない。」
と。

私が話に聞いていたシェリルは、ハードワーカーで容姿端麗のスーパーウーマンで、この本に書いてあるような弱気なことを考えるような人だとは思っていなかったのでかなり意外でした。

アメリカは日本よりずっと男女平等が進んでいる印象があります。しかし、実際には日本よりましというだけで、やはり男女の壁はいまだに高いようです。

私は共働きを支持する人間ですが、この本を読んで、家事技術が進んだ現代の女性でも専業主婦になりたがる願望を持つのも致し方ないなとも思いました。なぜなら世界は、女性に働きやすい環境を用意しているとはいいがたいからです。
最初から不利な立場だと分かっていれば、働く意欲を持てといっても難しいでしょう。もちろん、男は男の世界で平等とは言えませんけど...

だた、一つ確実に言えることは、女性が社会に出て家庭と両立して仕事でも活躍するなら、パートナーとなる夫の力がなにより大切だということです。シェリルは夫に恵まれていると言えますし、日本だと小室淑恵さんあたりもそうでしょうか。

私は未婚なので何も言えませんが、男性が妻と家事も子育てを分割することがとても大変だろうということは想像がつきます。公務員の友人の男が産休をとって休んで私に言った台詞が、「この時期の子育てを手伝わずに子育てを手伝っているとか言う資格は無い」と言っていたのはとても印象的でした。ちゃらんぽらんな男だっただけに、特に感じました。

男性に女性の細部が理解出来ないから、女性が出世して仕組みを変えるしかないというのが結局は事実なのでしょう。そして、男性は理解は出来なくても、「そういうものなのか」と可能な限りの意見を受け入れて、共に社会を作っていかなくてはいけないのですね。

最後にもう一度言いますが、男女共に読んでもらいたい本です。

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