鈴屋二代目
ソーシャルゲームの仕組みが理解できる本です。もし読者がWEBアプリなどの開発業務に関わっているならば、より楽しく読めるでしょう。
ソーシャルゲームは世の中でなにかと叩かれていますが、高度な知識、技術、人材、クリエイティビティが要求される仕事です。
この世界で長く活躍できる人材は、どの世界でも活躍できる人材になれます。それくらい、色々な要素が高レベルで要求されます。
逆にいうと、サラリーマン的な考えの人にはまったく向かない仕事です。安定はしてないし、仕事はハードだし、日々学習が必要です。給料がいいからとかいう理由では一年と続かないでしょう。
ソーシャルゲームの仕組み
- お金を使ってくれる人が存在するのは、たくさんの無課金ユーザーがいるから
- 世代毎の売上が一番多いのは一般的に30代。課金者一人当たりの高いのは、40代
開発側の視点
- 運営側は、遊んでいると思われる人達の生活サイクルを想像して彼らの一日の隙間時間を想定し、ゲーム内イベントの難易度やゴールを設定する
- 男性と女性では売れるアバターアイテムの傾向は異なる。男性は、鎧、天使の羽根などの非現実的なファンタジー系、女性は派手なドレス、つけまつげなどのリアルな世界で自分が着にくいゴージャス系である
- 日本国民が暇に過ごせば過ごすほど、することがなければないほど、ソーシャルゲームの売上はあがる。例えば、ゴールデンウィーク、お盆休み、正月休み
作り方
- 収集要素は売上に繋がるので外せない
- ゲーム要素はちょこっと遊べる程度には入れる必要がある
- 課金ポイントは、ゲームの中でユーザーが何に一所懸命になっているかを探すことで見つかる
- 重要なのは三点。隙間時間に利用できる。育成や収集要素がある。ソーシャル性がある
リリース後
- ソーシャルゲームは、ゲームが世に出た瞬間がゴングがなった時
- ほったらかしでは成功しない。PDCAで手を加え続けていく
- 売ったら終わりのビジネスとは異なり、どう育てていくかが重要
- PDCAを回すには、何の指標をあげるかを事前に決めておかないとプランの成功を判断できないので、決めておく必要がある
成功理由
ソーシャルゲームはマーケティング要素をエンターテイメントに適用したもので、システムとして完成されている。
これまではクリエイターが直感的に作っていた楽しさをシステム化し、数値したことが成功要因。要は技術の塊である。
感想とまとめ
高度にシステム化した隙間産業。というのが僕のソーシャルゲームの印象です。
僕はソーシャルゲームはやりませんが、否定派でなく肯定派です。なぜなら、ソーシャルゲームの運営や作成の中で生まれた高度な技術やマーケティング技術は他の業界でも有効活用されているからです。みなさんが毎日の生活の中で利用している便利なシステムの中にも、ソーシャルゲームから生まれた技術は使われています。
イノベーションは色々な試行錯誤から誕生します。きっとソーシャルゲーム世代の子供たちが大人になったとき、新しいゲームのジャンルが生まれているでしょう。そして、新しい技術や価値観を携えて、業界も世界も発展していくのだと思います。
読書メモ : 読書日 : 2015/1/17 6/100冊目
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