井上 理
最近やったゲームは3DSのルイージマンション2。あまりの素晴らしい出来栄えに、インターフェース、チュートリアル、そしてなにがこのゲームの面白さを引き出しているのかを研究しました。
山ほど娯楽のある現代社会。その中で、ゲームにのみ焦点をあてて企業を運営していく。ウルトラCの難易度です。そんな任天堂について知りたい。そんな理由でこの本を購入しました。
天才経営者岩田聡
- 成功は、結果のために正しいと思うことをしたのでなく、正しいと思うことをしたら結果がついてきた
- ゲーム作りとは、操作と遊びの構造を一体化させながら、何かのテーマ、コンセプトを貫いて延々と試行錯誤を繰り返すということ。膨大な可能性を追求して、極めるように収束させていく。
- クリエイターはリスクを背負って経験しないと育たない。
- 岩田聡の説明は、ロジカルに整理して語るのがうまい。物腰や口調は穏やかで、必ず相手の話を聞いてから、自分の意見を話す。
天才宮本茂
- 人生を通して遊びや楽しみを追求し、いつも日常生活のどこかでヒントやアイディアの種を探しては、ゲームに反映している。凡人との違いは、遊びや楽しいことへの、飽くなき探究心と鋭い感覚である。
- なにげないコミュニケーションを遊びに変えたのが「どうぶつの森」。メールを楽しそうに打つ子どもや女子学生からヒントを得た
- 健康を記録するWiiフィット。腰痛に悩まされて水泳を初めて「健康になるのは面白い」「毎日体重を測るのは面白い」からヒントを得た
- 肩越しの視線の効果。ゲームをやらない人の操作を何も言わず後ろから見つめ、改善点を次々と浮き彫りにする。
- 「普通の人」がわからないのは自分が間違っているからだと修正を繰り返す。生活の中に新しい遊びや楽しみを見出し、見つけた遊びの種を、万人に理解してもらうために、愚直に遊びを磨きこむ。
- 一つのテーマについてしつこく考え続けることが大切。考え続けていることの蓄積の量が、ヒットを生んでいる部分がある。試作を重ね、時に捨て、また重ねる。結果として、質の高いソフトを送り続ける。
鬼才横井軍平
- テレビゲームにはアイディア不足の逃げ道があった。それがCPU競争であり、色競争。そうなると、ゲームを作る会社でなく、画面作り、CG作りが得意なところがのぼってくる
任天堂らしさ
- 事業領域を「娯楽」にとどめ、組織も極力コンパクトに。一番強みを発揮できる部分に絞るべき。上手に捨てられるから、少ない人数でも大きなところと戦える。コア以外の部分はよその力を借りる。
- 娯楽はよそと同じが一番ダメ
- ゲームビジネスの本質は、常に新しい楽しさを開発し、ひたすら完成度を高めていくこと
感想とまとめ
ものづくりに関わる人は絶対に読んだほうが良い本です。特に、ソフト系のビジネスに関わっている人は、何度も読んだほうが良いです。
愚直に面白いものを追求し、質を高めていく。私もエンジニアとしてこの姿勢を大事にし、世界中の多くの人に役に立ち、そしてユーザーを笑顔にできるソフトを生涯作り続けていきたいと改めて思いました。
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