2015年1月23日金曜日

3Dプリンティングは、経済をさらに根本的に革新する。 - 書評 - 『2040年の新世界: 3Dプリンタの衝撃』

  • 公開日:2015年01月23日
  • 最終更新日:2015年08月01日

はじめに


数ある未来の技術の中でも、特に期待が高い技術の一つが3Dプリンターです。ロボット事業や宇宙事業もワクワクしますが、3Dプリンタによって世界がどう変わっていくかは、興味がつきないところです。

本書では、現在の3Dプリンタをとりまく状況と、予想される未来が記述されています。
未来がどうなるかは誰にもわかりませんが、世界はより素晴らしい方向に向かっていると個人的に思います。

これからのビジネス


  • 大量生産や職人による生産の制約から、これまで利益を上げるのは無理があったり不可能だった製品やサービスにチャンスがある。 言い換えれば、規模の経済に頼らずに利益を上げられるようなビジネスモデルに、チャンスが潜んでいる
  • 将来の3Dプリンティングは、経済をさらに根本的に革新する

経済


  • 世界は経験経済に向かっている

食のデジタルフードプリンティング


  • 3Dフードプリンタはデジタル時代の理想的な食品テクノロジーになる。例えば糖尿病の人が血糖値のデータをアップロードできれば、ソフトウェアが次の食事のバランスを計算し、キッチンの3Dフードプリンタにレシピを送ることが可能になる
  • 3Dフードプリンタは、人の食事のとり方や健康管理の仕方を変えるだろう

3Dプリンターの課題


  • 消費者の安全に対するリスクがある。現在、人が購入する物は、企業努力と法規によって守られているが、3Dプリンタは違う。責任の所在はどうするのか
  • 3Dプリントされたレプリカに対し、著作権問題が生じる可能性が高い
  • 特許は開発の妨げになる。ジェームズ・ワットは蒸気機関の重要な要素の特許をとったが、特許が有効だった二十年間は何の進展もなかった。特許の期限が切れると、蒸気機関は目覚ましい進歩を遂げ、産業革命が起きた。
  • 生産ツールを広く使えるようにすることのデメリットは、経済のメルトダウンである。偽造の横行は利益を蝕む。現実的でバランスのとれた法的な枠組みが必要となる。

まとめ


規模の経済に頼らずに利益を上げられるようなビジネスモデルというのは、ソーシャルゲームも同じです。良くも悪くも、世の中はより多様で複雑な世界になっていくのは間違いないと思います。オープンソース、オープンデータ、オープンハードウェアと我々の前にはあらゆる物が無償で提供されるようになっています。あとは使う人の力量次第ということになります。

また、3Dプリントで可能となる新たなデザインを生み出す発想力も課題となりそうです。まだまだ未知の部分が多い技術ですが、確実に世の中は変わっていくでしょう。楽しみです。

他の読書に関する記事

この記事がお役にたちましたらシェアをお願いします

このエントリーをはてなブックマークに追加

0 件のコメント:

コメントを投稿

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...