前編の続きの記事になります。
アメリカ以外のドローン状況
アメリカ以外でドローンに力を入れている国の筆頭は中国です。
ドローンの世界ナンバー1企業といえばDJIです。 DJIは中国の深圳に本社があります。
ここで作成されたドローンがアメリカをはじめとする国々に売り出され、中国に様々なノウハウを蓄積しています。
中国は国をあげて、ドローンの政策に力を入れています。
中国がこれだけドローンに力を入れているのは、産業目的だけでなく軍事目的もあるでしょう。
目的はともあれ、ドローンはより洗練されたテクノロジーとなり、自然と人々の生活に溶け込んでいくことは確実です。
規制は必要?
さて、ドローンの高い将来性と、社会の浸透性は理解できたと思います。
しかし当然ですが、ユーザーが増えればそれなりのルールが必要となってきます。規制はイノベーションを阻害するという意見もありますが、最低限のルールがないと、効率的な運用は不可能ですし、制限から生まれるイノベーションもあります。
イノベーションを阻害する規制を策定してしまうと国力が削がれてしまいますが、効率的な運用を促すルールを作ることで産業力だけでなく、国力をも高めることができます。
法の作成は非常に重要なのです。
感情でなく事実と現実からルールから作る
アメリカのホワイトハウスへのドローンの墜落、日本の首相官邸への落下。これらのインパクトの高い事件だけでドローンの規制案を作成してはいけません。
日本では、ドローンを購入するときに、名前と住所を記入してもらうようにするという案が上がっているようです。
ですが、この規制方法にどういった意味があるかを考えてみなければいけません。
ドローンの自作はみなさんが思っているよりずっと簡単です。ミニ四駆よりちょっと難易度が高いくらいです。
道具さえ集めて(購入して)しまえば、ネットで情報を見ながらドローンは作れてしまいます。車やバイク等の乗り物とは、環境が大きく異なります。
「免許制にするべき」という声も多いようですがこれも同じことが言えます。
ドローンは簡単に自作できるだけでなく、狭いアパートでも練習できてしまうサイズです。車やバイク等のように練習にスペースを必要としません。
マニュアルの操作の難度は高いですが、誰にもばれずに猛練習を積むことができます。
なので、既存のテクノロジーの考えの延長線上で法を策定しても無意味です。だから、アメリカも苦労しているのです。
空の世界の法はじっくりとつくる
ドローンは危ないからすぐに規制しないといけないという国の意見にはあまり賛成できません。
車両の進化が、陸の法律を少しずつ理に叶った形にしてきたように、空の法もこれからテクノロジーの進化と共に整備されていくものです。
ドローンはまだまだ未熟なテクノロジーで、これから大きく変わっていくはずです。
インターネットが広がったことにより、国民みんなの意見があっというまに広がるようになっています。政治家への票は国民の感情によって支配される以上、法の作成にまったく感情面を取り入れるなとはいいません。
ただ、長い目で見た時に、あの規制が日本のイノベーションの機会を奪ったとなるようなことは避けて欲しいのです。
ソフトウェア業界でマイクロソフト、amazon, google, appleという会社が誕生し、アメリカの一人勝ちを許してしまったように、空のビジネスまでアメリカ、もしくは中国に独占されるのは、日本として大きくマイナスになってしまいます。
なので国には、規制でなく、イノベーションを起こせるような法の整備を期待したいと思います。
ピンチはチャンス。
この事件があったからこそ、優れた空の法が生まれ、日本復活の原動力になった。後にそう言われるような対応を国には期待したいと思います。
空のビジネスには無限の可能性があるのですから。
参考