2015年04月22日午前10時半ごろ、東京都千代田区の首相官邸の屋上に小型無人飛行機「ドローン」が落ちているのが発見されました。
僕らドローンユーザーにとって、最も恐れていた事件がついに起きてしまったといってよいでしょう。
この事件で、ドローンの法の整備に関する議題があがってくると思います。
とはいえ、そう簡単に法整備が難しいのが今のドローンを取り巻く状況にはあります。
ドローン後進国の日本がこの新しいテクノロジーとどう向き合っていくのかを、アメリカや中国と比較し、考えてみたいと思います。
アメリカのドローン状況
アメリカは言わずとしれたドローン先進国です。
クリス・アンダーソンの『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』は、日本でもベストセラーとなったので読んだ人は多いのではないでしょうか。
この本により『Maker』という言葉が登場し、「日本でもDIYの時代がやってくる!」 と思った技術好きな人は多かったのではないでしょうか。
でも結果はご覧の通り、今のところ日本の社会にDIYは根付いていません。今後も可能性は低そうです。arduinoなんかはエンジニアなら真っ先に飛びつきそうなアイテムなのですが、日本語の情報すらほとんどない状態です。(僕の周りでも持っている人は一人しかいません…。英語が 苦手な人が多いからでしょうか?)
クリス・アンダーソンは「DIY Drones」というラジコン飛行機製作のコミュニティサイトを運営していましたが、最終的にはUS版『WIRED』編集長を辞任して、3D Roboticsという企業を立ちあげてます。
彼は『WIRED』編集長の座に未練はないのかという問いに対し、
「メディア産業とロボット産業、どちらのマーケットに未来があると思う?」
と答えました。アメリカという国が常にイノベーションを生み出し続け、No.1でいられることがこの答えから理解できます。
しかし、このイノベーション大国のアメリカでも、ドローンの規制は大きな社会問題となっています。
最近では、2015年の1月27日にホワイトハウスにドローンが墜落した事件が記憶に新しいところです。
画像参照: http://www.nytimes.com/
アメリカでの世論調査では、70%以上の人が「規制が必要」と答えていて、アメリカ政府も規制策定を急いでいます。
しかしながら、どのように法を策定するかは色々な問題が絡み合っていて、うまく進んでいないのが現状です。
ドローンは今後10年で、アメリカだけでも最大1000億ドル近くの市場を作りだすと予想されています。
この数字が大げさでないことは、実際にドローンを扱ったことがある人ならわかるはずです。
このまま進化を続ければ、ドローンはパソコンと同様、いやそれ以上に大勢の人々の生活を変えていくでしょう。
なくなってしまう職業もあるでしょうが、新たな職業も数多く生み出されるはずです。
社会の新陳代謝は促進され、より便利で住みやすい社会に進化すると思います。
もちろんそこに辿り着くまでには、色々な社会問題も発生するでしょうし、様々な試行錯誤が繰り返されるはずです。
でも、ドローンはその価値があるプロダクトだと思います。
では、次に他の国のドローンの状況はどうなのでしょうかを見てみましょう。
後編に続きます。
参考
- White House Drone Crash Described as a U.S. Worker’s Drunken Lark
- 現実味帯びるドローン「交通規制」、安全性確保も課題
- ドローン市場、アメリカは規制策定で遅れ 他国は事業展開の機会探る
- HERE COME THE DRONES – クリス・アンダーソン:わが愛しのドローン
- クリス・アンダーソンのメイカー企業「3D Robotics」訪問記
- Amazon isn't happy with FAA's proposed drone rules
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