上野の国立科学博物館で開催されている「医は仁術」を見に行ってきました。
正直、最初は入るかどうか迷ったのですが、入ってよかったです。日本の昔(江戸)の医療から現在の最先端の医療技術の歴史変遷が理解出来ました。
百聞は一見に如かずといいますが、まさにその通りで、日本の歴史的な医療の資料をみることで色々なことが学習出来ました。
根底にある基礎の力
どの世界でもそうですが、基礎を理解することは大切です。医療に限らず、IT、スポーツ、経営等、現代には様々な分野で膨大な知識が体系化されています。しかし、 我々は基礎を学ぶ時間をおろそかにしがちです。現代ビジネスでは「成果(アウトプット)」を急ぐあまり、理論を学ばずにいきなり実践で新技術を導入したり、プロジェクトを開始したりします。
でも、それではいけません。それではまるで、五臓六腑を信じ、現代医学における解剖学の知見とは異なる概念を元に治療を行っていた昔の人と変わりません。
技術を扱うには正しい知識を身につける必要があります。もちろん知識だけでは役に立たないので、現場で実践して改良していく必要があります。人の世界の本質は江戸時代から何も変わっていないのです。
西洋医学の緻密さに驚いた日本人達は、杉田玄白らが翻訳した解体新書を元にどんどんと医療技術を向上させていきます。翻訳に使った辞書等も展示されていましたが、彼らの努力には頭が下がります。我々は彼らの行いに感謝し、そしてプロフェッショナルとしての姿勢を吸収しないといけないと思いました。もちろん今とは時代が違いすぎるのですが、やはり技術者は自分の持つ知識や技術を使うだけでなく、広めるという責任があると思います。今はブログがあるのですから、どの分野でもプロの皆さんは是非時間を割いて情報を発信していただきだいと思います。
仁
今回の展示のテーマです。人を思う心。日本人が大切にしている考え方ですね。
これに関しては、出口近くに設置されていたアニメーションが印象的でした。医療に従事する女性医師が子供と接する時間が取れず、子供がグレてしまうお話です。
僕は幸運にも体が強いほうで、ほとんど病院には行きません。しかし、以前病院に用事があって行った時にあまりに院内が混雑していて驚いたことがあります。日本は世界的に見ても、医療費に比べて提供される医療の質がすぐれているらしいです。だからなのか、様々な人がちょっとしたことで病院に駆け込むようです。
我々日本人が本当に「仁」を大切にするなら、我々はもっと「予防」に力をいれるべきだと私は思います。日々のトレーニング、毎日の食事、定期的な体のケアをすればもっとみんなが訪問しやすい病院になるのではないでしょうか。今は病院に人が集まり過ぎです。
医者だって人間です。長時間労働をすれば疲れるし、労働の質は落ちるでしょう。それに、今の医者の忙しさでは、日々進化し続ける医療技術をロクに追うことも出来ないのではないでしょうか。他の分野の技術者にも言えることですが、最新の情報を仕入れて自分で研究を続ける時間を持つことは非常に大事です。
技術を追うことが出来ない程の労働環境になってしまうことで結局損をするのは、労働のサービスを受ける側です。そして技術の進歩の遅れは、後の世代にも影響を与えます。ブラック企業の経営者がよく責められていますが、サービスを利用する側にも問題があるのだということを我々は理解するべきでしょう。
技術の発展
個人的にはここが一番面白かったです。3Dプリンタを使った医療は今後主流になっていきそうな気がします。
私もスマホ、aruduino、3Dプリンタを使ったサービスに携わる人間ですが、ますます様々な専門分野の技術者が協力し合う必要がでてくる世の中になっていきそうな予感がしました。
あとはips細胞のコーナーもありました。でも、
STAP細胞のコーナーはありませんでした。
どうしてですか!設置してください!
まとめ「医は仁術」というより「医療の歴史」といった印象が強かったです。一般の値段が一人1500円と高めですが、技術好きや医療に興味のある人は行ってみるといいのでないでしょうか。家族やカップルのデートとしても楽しめるんじゃないでしょうか。
まとめおみやげ屋はこんな感じですw
私は何も買いませんでした。でも、みなさん結構買っていて驚きです。
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