2012年8月17日金曜日

NYヤンキース黒田投手の思考とプログラマの思考


NYヤンキースで活躍している黒田選手の記事でとても良い記事があったので紹介します。

記事の内容は、松坂大輔選手やダルビッシュ有選手など、メジャーに来て制球に苦しむ日本人投手が多い中で、なぜ黒田選手が安定した投球を続けられるかについてです。

「こんなものかなと思ってやるしかないですからね。日本で投げていたイメージなんて追い求めていたら、こっちではやっていられない。ボールの違いや中4日の環境にしてもそう。その環境は変わらないんですから、気にしても仕方ない。こっちでも安定しているボールもあれば、まったく使いものにならないボールもある。その中で自分がどうやっていくか。頭を切り替えてやっていくしかない」

「こんなところでやっていけるのかと思うほど、1年目のキャンプは困ったことだらけでした。何もかもすべてでした。でも僕らは無理やりここに連れて来られたわけじゃない。自分で決めてここに来たんです。ボールの違い、中4日での登板、トレーニング環境の違い、すべてを理解した上で『腹をくくって』ここに来たんです。だから、環境の違いを気にすることは趣旨が違うと思っていました。日本と同じ感覚で投げられていないのは確かです。でも、それは求めるものではないと思います」

自分の能力を高めて異なる環境に挑戦していくのではなく、異なる環境に合わせて自分の能力を高めていく
グローバル化(アメリカ化)で最も大切な考え方を黒田選手はもっていて、さらに実現できています。

IT系のスタートアップでよく利用されるWEBフレームワークにRuby on Railsというツールがあります。このフレームワークの設計哲学は以下の二つです。

DRY(Don't Repeat Yourself)=同じ記述を繰り返さない
CoC(Convention over Configuration)=設定よりも規約


railsでWEBアプリを作る場合、フレームワークに合わせた仕様にすればするほど素晴らしく高い生産性を発揮することができます。「ああしたい」「こうしたい」とフレームワークの制約を外れれば外れるほど生産性は落ちます。

railsがスピード重視のスタートアップで使われ、顧客の要求が多い受注で利用されないのはこういった理由からです。

railsに限らず、iphoneやandroid等のアプリ開発でもプラットフォームの標準ルールに沿って作ると使いやすい物になります。


標準化された環境を受け入れ、その中でどうするかというのはとても重要なのです。

黒田選手はメジャーという環境を受け入れ、メジャーで力を出せる投球術を身につけたのでしょう。もしかしたらその投球術は日本では通用しないかもしれません。

ITの世界でも色々と便利なツールが作成されています。利用していると「ここはこうするべきだろ」「わかってねえな」と思うことがしばしばあります。
しかし、自分の思い込みで変更してしまうより、標準化されたものをそのまま利用することで最新技術の導入や後々のバグの対応が楽になります。
制約のある中で対応していくのも立派な技術です。

定期的に自分がおかれている状況と環境を考える習慣は身につけておきたいと思わされた良い記事でした。

「日本人投手がメジャーで生き抜くために必要な哲学」
黒田博樹の成功と松坂大輔の蹉跌

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