2015年8月3日月曜日

UIを制するものはスマホアプリを制す - 書評 - 『モバイルデザインパターン 第2版――ユーザーインタフェースのためのパターン集』

  • 公開日:2015年08月03日
  • 最終更新日:2015年08月04日

スマートフォンデザインについて


スマートフォンの急速な普及は、IT業界の勢力を大きく変えました。
収益をガラケーに依存していた企業は淘汰され、スマートフォンに対応できた企業が生き残り利益を伸ばしてきました。

しかし、スマホのユーザーインタフェースは未だに試行錯誤の連続です。乱発されているスマホアプリを見る限り、googleやappleがWEB上に用意したユーザーインターフェースのガイドラインを読んでいる開発者は10%に満たないのではないでしょうか。

「守破離」という言葉があります。千利休が茶道を通して体得した理論と言われています。言葉の意味は以下の通りです。

  • 「守」。型を守る(学ぶ、まねる)ところから修行が始まる。
  • 「破」。型を自分と照らし合わせて研究することにより、自分に合った、より良い型をつくる。
  • 「離」。型から離れて自分自身の型をつくりだす。

この言葉は、全ての事柄の技術の取得に当てはまります。
もちろん、ユーザーインタフェースの設計にも当てはまります。
本書では、「守破離」でいう「守」の部分について詳細に学ぶことができます。

本書で学習可能なユーザーインタフェース


  • ナビゲーション
  • フォーム
  • テーブル
  • 検索、並び替え、フィルタリング
  • ツール
  • チャート
  • ソーシャル
  • フィードバックとアフォーダンス
  • ヘルプ
  • アンチパターン

どの項目を読んでも、ユーザーインタフェースに関する高い知見が得られるでしょう。

例えば、ナビゲーションの項目では、ユーザーがアプリに用意されている機能を発見し、活用出来る画面ナビゲーションを学習することができます。

フォームの項目は、モバイルフォームのユーザーインタフェースを設計するなら絶対に読んでください。わけのわからないモバイルフォームを要求されるアプリが多すぎます。

まとめ


私はWEBアプリとスマホネイティブアプリの開発を生業としています。
出来上がったデザインの案を見て、暗澹たる気分になったことは一度や二度ではありません。

デザインの良し悪しはセンスで決まるのではありません。知識がベースになります。
「デザインセンス」がないからという言葉をよく聞きますが、デザインセンスも他の学問や技術と同様に、膨大な学習と経験を通して磨かれていきます。デザインセンスがないのは、普段から物のデザインに注意を払っていないのが原因です。

デザインとは機能であり技術です。
スマホのユーザーインタフェースに限らず、あなたが普段身につけている洋服でも同じです。
自分にとって着やすい服と着にくい服の差を考えてみましょう。おしゃれだなと思う人の服装と自分の服装を比較してみましょう。そうすることで、あなたのデザインセンスは少しづつ向上していくはずです。

本書には多くのアプリのデザインがこと細やかに記載されています。それらのアプリの長所と短所を学んでください。本書で得られた知識は、あなたがスマートフォンアプリを作る際に、大きな力となってくれるはずです。

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