2014年10月25日土曜日

2015年問題から見える日本のIT業界の問題点 その4

人を増やしても問題は解決しない

さて、2015年問題に話を戻そう。
この2015年問題、これは人を増やしても解決しないと思う。どれだけ人を増員しても、結局はヘンテコなシステムが構築され、その保守や改修がビジネスとして続いていくことに異論を挟む人はいないだろう。

そもそも、人を増やせば問題が解決するという考えは、テクノロジーの世界ではあまり良い考えとはいえない。産業時代の考え方だ。
もちろん最低限の人数は必要だが、根本的な問題の解決にはならない。
僕の経験上、問題を解決する優れた方法は「問題を考える時間をもつ」「少数の優秀な人でグループを作る」ということである。

「少数の優秀な人でグループを作る」の効果は、googleやfacebookを見れば明らかだろう。少数で組織やグループを構成するのは情報の共有がしやすいからだ。とはいえ、優秀な人物を集めるには時間がかかる。となると、「問題を考える時間をもつ」ことが重要となる。

問題点は日々、状況によって変化する。今解決できない問題でも、時間が経ち知識が増えると解決することはよくあることだ。例えばある製品を作成することになり、7割の出来で先に進むというのは、製品を世に早く出すという点だけでなく、知識を蓄積するという点でもすぐれた仕事の進め方だ。ただ、このやり方の問題点は、周りがそういった製品を認めてくれる環境にあるかどうかが大きい。僕の経験では、スピード重視のベンチャー企業以外ではあまり良い顔をされない。結局、あれもこれも欲しがるのだ。足し算の仕事をできる人は多いが、引き算の仕事が出来る人は本当に少ない。

「問題を考える時間をもつのが重要」とはいえ、日々仕事に追われるとタスクを消化するだけで精一杯になってしまうのは仕方がないことだ。 redmineのチケットと重要タグのついたメールを見ながら焦る気持ちを抱く感覚が僕にはよくわかる。効率化したタスク管理はストレスの効率化と数値化はしてくれない。責任感の強い人やまじめな人が鬱になるのは、こういった効率化したタスク管理にも原因があるように思う。

また、日々の作業を事務的にタスクをこなすだけではいけない。何度もいうが、タスクが増えたから人を増やそうというのは愚か者の発想だ。
もちろん人を入れることで解決することもある。だが、それは、たまたまその問題が人が足りないのが原因だったからに過ぎない。たいていの原因は異なるところにある。その原因をさぐって解決していく習慣をつけると、仕事は楽になるし、成長出来る。

原因を考え、検証、実行、分析ができる習慣を身につけよう。

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