優秀なプログラマなら分かっていると思いますが、技術とお金を稼ぐ能力は別です。優秀なプログラマと優秀でないプログラマの生産性は100倍にも及ぶことがあります。
しかし、どんなに優秀なプログラマでも、お金を稼ぐ能力は他から学ばないといけません。
プログラマという職業の地位を向上させ、職業プログラマが幸せになるためには、多くのプログラマがマネタイズする力を身につけ、社会の中で地位を掴み取っていかなければいけないのです。
この本は会社経営の戦略本です。事業がうまくいっていない架空のゲーム会社を題材に、会社を立て直すための戦略を小説形式で説明していきます。いわゆるMBA式の経営戦略本なのですが、ストーリーのある小説なので読み易いです。ゲームソフトウェア事業がテーマなので、プログラマにはお薦めです。
また、途中途中で問題演習が入るので、読んだだけで満足して終了ということにはならない点が優れています。最低限必要な知識を強制的にアウトプットさせる仕組みになっています。
ストーリーは完全に最近はやりの「萌え」路線。「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」のようなイラストだったらもっと売れると思います。前者の例に漏れず内容とストーリーは薄いですが、内容は悪くないです。事業計画の入門本としては、十分な内容だと思います。
しかし、主人公が篠原涼子風の美人キャリアウーマンというのは失敗です。中途半端すぎます。どうせなら、MBA戦略の天才女子中学生、しかもめがねっ娘とかにしないといけません。これは編集さんの責任です。この世界のマーケットをまったく分かっていませんね。
また、この本を読んだ後には、自分の会社の経営戦略をシュミレーションしてみるといいと思います。自分が今後習得するべき技術や、進む方向性の助けにもなると思います。
私はコンサルタントみたいな連中はあまり好きではありません。しかし、バリバリの技術者こそ、こういった本を読むべきだと思います。技術者はもっと自分の技術を有効に使い、イノベーションを巻き起こし、社会を変えていくべきなのです。
プログラマにはそれができるのです。
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