2014年9月28日日曜日

2015年問題から見える日本のIT業界の問題点 その3

努力や学習でなく環境がエンジニアをつくる

常に人材不足だから、仕事には困らない。確かにそれは正しい。そして、散々叩かれているSI業界も今後10年は仕事に困らないのも、確実な未来だ。
人材不足ゆえ、もらえる賃金も上昇する可能性も高い。ボーナスは過去最高の数値をたたき出すかもしれない。 だが、ここで集められたエンジニアと他のプロジェクトで経験をしていくエンジニアは、能力という点で全く別の力を身につけていくことになる。

例えばあるエンジニアは、ネイティブでのアプリ開発がメインの仕事だ。vagrantとchefでサーバー環境を構築し、APIはrails&grapeで短時間で作る。 ユーザーを獲得するために機械学習の勉強もはじめている。コードだけを書いている訳ではない。毎日が新しい技術の勉強で、ユーザー獲得のためにトライアンドエラーの日々だ。悪くいえば何でも屋とも言う。

国家レベルの巨大プロジェクトで集められた人達は、毎日同じ作業だが、そのプロジェクトの中身に精通できる機会をもつことになる。巨大なシステムがどのように動いて、構成されているかを知ることはあとあと大きな財産になる。特に自社でシステムを組む時にそういった経験と知識は本当に役に立つ。漫然と開発だけして過ごすのではなく、ちょっとずつ全体を把握し、システムの規模によりどれくらいの人が動いているのかを理解するとよいだろう。

僕はどちらかが悪く、どちらかが優れているとかは思わないし、言う気もない。結局は自分がどういうキャリアを積みたいか、どういう仕事をしたいかということだ。これは人の価値観の問題である。誰もがtwitterで働くような年収10億のスーパーエンジニアを目指す必要はない。ただ、どの道を進んでも、この業界は進化していかないといずれ振り落とされてしまう。

そして、これがもっとも大切なことだが、あなたがどんなエンジニアになるかはあなたの努力や学習量よりも周りの環境が決める。
例えば僕の場合は、語学が大嫌いだったけど、今は英語と多少だけど中国語が使える。嫌々身に付けたスキルだけど、仕事以外のプライベートでも凄く役に立っている。技術も同じことである。労働時間の長い業界だから、努力や学習量よりも周りの環境で身に付くスキルが決まってしまうのだ。

自分がどんなエンジニアになりたいか、どういった人生を生きていきたいかについては、定期的に時間をとって冷静に考えてみる時間をもつと良い。 僕は三ヶ月ごとにその過去三ヶ月を振り返って、今満足しているかを確認しているが、これは役に立つ習慣だと思う。

道

自分の進んでいる道が間違っていると分かったら、すぐに道を変えるべきだ。新宿の歌舞伎町を目指して進んでいたら、秋葉原のメイドカフェに到着してしまいましたでは、目もあてられないだろう。幸いにもこの業界は、道を変えても、高速で新しい道を突き進める業界だ。チャンスはすぐに転がり込んでくるだろう。

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