2009年4月7日火曜日

緑衣の鬼

緑衣の鬼

著:江戸川乱歩

光文社文庫
江戸川乱歩全集 第11巻

「赤毛のレドメイン家」のネタを使った作品です。
私は「赤毛のレドメイン家」は未読なのですが、犯人が途中でわかってしまいました。
金田一少年等でも利用されたトリックだし、普段からミステリーを読んでいる人なら、最後まで読み通さなくても、犯人も動機もトリックもわかってしまうでしょう。乱歩ファンなら楽しく読めると思いますが、ミステリーファンとして読むと内容は微妙かもしれません。
初めて乱歩の作品を読むなら、「黒蜥蜴」や「少年探偵団」、初期の短編がお薦めです。「赤毛のレドメイン家」のリスペクトとして書かれた作品なのでしょうが、中途半端な出来栄えだだと思いました。
緑衣の犯人は怪人20面相の劣化版という印象をもってしまうし、探偵役の乗杉はまんま劣化明智小五郎です。ネタバレになってしまうので詳細は割愛しますが、乱歩の本をある程度読んでいる人なら、どこかで見たような光景が脳裏に浮かぶでしょう。
 ただ、だれることなく一通り最後まで読みとおせる出来だとは思います。
長さも適度で丁度良く、通勤・通学中に読む本がない時にでも読むのがいいのではないでしょうか。

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