2009年2月1日日曜日

翔ぶが如く2

翔ぶが如く2

著:司馬遼太郎

文春文庫

征韓論をめぐる新明治政府の話です。
征韓論を通せば、日本が滅ぶと主張する非征韓派と、征韓論を通すことが日本のためであると主張する征韓派のごたごたを描いています。
この2巻では、山県有朋と伊藤博文の人物像が特に詳しく描かれています。
何度も総理大臣の座についたこの二人が、現在の日本の基本の形をつくったのは間違いないでしょう。
ただ、ほとんどの人は、あまり良い印象はもたないのではないでしょうか。
確かに官僚としては優れていると思いますが、木戸孝允、西郷隆盛、坂本竜馬等と比べると卑小な人間に見えます。
 実際、世の中を上手に渡っていけるのは山県有朋や伊藤博文のような人間だと思います。
ただ、この二人の考え方は、あまりに現代の官僚に近いため、どうも近親憎悪に近い感覚を抱いてしまいます。
1巻の段階では、まだおぼろげだった日本の未来の姿が、この巻あたりから鮮明になってきます。現代の日本社会が目指す方向が明確にされてきます。今の社会は、維新の薩長が基本になっているということがよく分かります。
まったりと読んでいくつもりだったのに、かなりはまっています。
良い本です。さらに続けて読んでいきたいと思います。

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